一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】


───その頃、王座の間では……


「なに男にびびってんだよ、シルヴィオ」

第一王子に対してあまりにも態度の悪い男が、シルヴィオの後ろからゆっくりと、妖しくレッドアイを光らせて姿を現した。

「どこに行ってたのさ……クロム」

シルヴィオの問いかけに「まぁ、野暮用だ」と、男は適当な返事を返した。

彼の名は、クロム。

「見てたなら助けてくれよ……仮にも僕の側近なんだからさ……あの従者の子、女の子みたいな顔をしているから驚いたよ……はぁ」

こぼれてくる言葉は弱音ばかりなのに、儚げにため息をつくシルヴィオは、見た目だけは超一流だ。

「見た目は完璧な癖に、中身が相変わらず雑魚すぎだろ」

腕を組み壁に寄りかかり、相変わらず口も態度も悪いクロム。

「僕が女嫌いなのは知っているだろう?」

「さっさと克服して結婚しやがれってんだ」