挨拶もうまくいき、私たちは今日からこのお城の客人用の部屋に滞在することになる。
部屋へと案内されながら、私はギル様と並んで案内人の後ろを歩いていた。
長くて広い廊下を歩くうち、ギル様が呆れた顔で話しかけてくる。
「お前にはヒヤヒヤさせられたぞ……まったく」
「え~、そうですか?あの王子様すごくいい人そうじゃないですか?きっとお父様の王様は、サンタさんみたいな人、確定ですねっ!」
ニコッと笑って返事をする私に、ギル様は怪訝そうに眉を寄せる。
「またおかしな事を……サンタさんとはなんだ?」
あれっ……サンタさんって、この世界の人は知らないの?!子供に大人気のあの伝説のサンタさんを?!
なんて勿体ない!!
「サンタさんは子供たちに大人気で、夢と希望を運んでくる伝説のおじいさんですよ?!サンタさんを知らない人生なんて、勿体ないです!」
ギル様に力説しながら歩いていると、前を歩く案内人が「くっ……」と肩を震わせていた。
必死に笑い声を堪えた後、誤魔化すようにゴホゴホとわざとらしい咳払いをする。
そんな様子にギル様が、案内人に向かって声をかけた。
「うちの従者はちょっと変わっていてすまないな……何か子供用の本でも読んだのだろう……」
私を全く信じてくれないギル様は、なんだかとても失礼なことを言っているのだった。
本当なのになぁ〜!



