その時、私たちの間に突然大きな突風が吹き荒れる。
青く綺麗な海が広がる船の上で、潮風に髪の毛をなびかせるギル様は、あまりにも絵になりすぎていた。
なにこの破壊力……!!
ギル様の全てがキラキラと光り輝いて見える私には、イケメンすぎて眩しい。
そんな眩い姿を、ぼんやりと見つめていると……。
だんだんと強くなる風に、急に慌てたギル様が私の手をぐっと力強く引っ張る。
「えっ……なっ?!」
ギル様に見とれていた私の慌てた声と、バランスを崩した体は、逞しい胸の中に吸い込まれていった。
訳がわからず驚いていると、ギル様の大きな手が私の頭をぎゅっと優しく包み込んでいく。
「えと、あの……ギル様?」
全然状況が飲み込めない私は、はるかに身長の高いギル様をキョトンと見上げると、胸元からため息混じりの呆れた声が降ってくる。
「はぁ……まったく……。お前は隣国でも女バレするんじゃないだろうな?あまりヒヤヒヤさせるな」
「え……?女バレ?」
急なこの状況と言葉の意図が分からず、私は首を傾げた。
「風でカツラが脱げそうだったぞ……忘れたのか?お前は今、男装姿だということをな」
呆れながらもギル様は、風が止むまで私の頭を守るように抱きしめ続けてくれた。



