イッツ・ア・マジックショータイム!~変人マジシャンの華麗なる謎解き~

僕が転校してきて、ちょうど一週間。

転校生パワーはすっかり消え去り、

僕はクラスメイトと持ちつ持たれつの関係を築く、地味なクラスメイトへと降格した。

……いや、降格という言い方も変か。

最初からこのくらいが、僕にはちょうどいい。

結局、前の学校と同じような立ち位置に落ち着いた。

そして、隣の席の神宮寺さんはというと、

あの消しゴムの一件以来、一度も話していなかった。

…………だってこの人、いつ見ても寝てるんだもん。

朝のホームルームでも寝ている。

授業中も寝ている。

休み時間も寝ている。

たまに起きていると思ったら、ぼんやり窓の外を眺め、

やっぱりまた寝る。

よくこれで学校生活が成り立っているなと思った。

一度、学校を休んでいた日もあったな。

あとから聞いた話によると、どうやらマジシャンの仕事があったらしい。

「本当にプロなんだ……」

思わずそう呟いたのを覚えている。

テレビに出たり、海外に行ったりすることもあるらしい。

中学生なのに、プロのマジシャン。

それは普通にすごい。

消しゴムを僕のポケットに入れた、あのマジックも。

あれだけのことができるなら、プロだと言われても納得できる。

……まあ。

普段のこの人を見ていると、いまいち実感は湧かないけど。

そんなことを考えながら、僕は隣の席で眠る神宮寺さんを横目に見た。

今日も、気持ちよさそうに寝ている。

「……よく寝るなぁ」

小さく呟いて、僕は前を向いた。

このときの僕はまだ知らなかった。

この一週間、ほとんど話していなかった彼女と。

これから嫌というほど関わることになるなんて。