イッツ・ア・マジックショータイム!~変人マジシャンの華麗なる謎解き~

左右の拳を交互に見比べる。

突然始まった謎の二択。

何がしたいのかは分からないけど、とりあえず右を指差した。

「こっち?」

「ふふん」

彼女が得意げに笑った。

そして、パチン、と指を鳴らす。

「残念」

両手を開いたが、どちらにも消しゴムはなかった。

「……え?」

思わず自分の手元を見る。

すると彼女は、僕のブレザーの外ポケットに手を伸ばした。

「じゃーん」

そこから出てきたのは、さっきの消しゴム。

「…………」

思わず目を白黒させた。

いつの間に.........というか、いつ入れた?

そんな僕を見て、彼女は満足そうに胸を張った。

「すごいでしょ」

「……すごい」

それしか言えなかった。

彼女は満足したらしい。

「でしょ。

じゃ、おやすみ」

「え?」

そのまま机に突っ伏す。

数秒もしないうちに、すっかり眠ってしまった。

僕はしばらく彼女を見たあと、自分のポケットから消しゴムを取り出した。

そして、もう一度隣を見る。

……なんなんだ、この人。

霞ヶ沢中学校にやってきた初日。

僕の隣の席には、とんでもなく変な女の子がいた。