そして数年後。
二人は、桜ヶ丘高校で再会する。
高校生になった凪沙は、目の前の男子生徒を見ても、すぐには気づかなかった。
けれど、ある日。
樹の制服の胸元から、細いネックレスが覗いているのが見えた。
その先にある、小さなシーグラス。
凪沙の足が止まる。
その色。
その形。
見覚えがある。
海の中で拾った。
自分の宝物だった。
そして――
あの日、野津原で初めて会った男の子に渡した。
「……それ」
樹が振り返る。
「これ?」
凪沙は、シーグラスから目を離せなかった。
遠い記憶が、一つずつ戻ってくる。
少年自然の家。
川。
山。
初めて話した男の子。
そして、自分が渡した小さな海の欠片。
「……樹?」
樹は少しだけ笑った。
「やっと思い出した?」
凪沙は、何も言えなかった。
樹の胸元には、あの日のシーグラスがある。
何年も経っているのに。
まだ、お守りとして。
そして凪沙はまだ知らない。
樹があの日からずっと、心の中で自分を忘れなかったことを。
――海を知らなかった少年が、海の女の子に恋をしたことを。
海の表情をした少女と、野津原の空を愛する少年。
二人の物語は、ここからもう一度始まる。
二人は、桜ヶ丘高校で再会する。
高校生になった凪沙は、目の前の男子生徒を見ても、すぐには気づかなかった。
けれど、ある日。
樹の制服の胸元から、細いネックレスが覗いているのが見えた。
その先にある、小さなシーグラス。
凪沙の足が止まる。
その色。
その形。
見覚えがある。
海の中で拾った。
自分の宝物だった。
そして――
あの日、野津原で初めて会った男の子に渡した。
「……それ」
樹が振り返る。
「これ?」
凪沙は、シーグラスから目を離せなかった。
遠い記憶が、一つずつ戻ってくる。
少年自然の家。
川。
山。
初めて話した男の子。
そして、自分が渡した小さな海の欠片。
「……樹?」
樹は少しだけ笑った。
「やっと思い出した?」
凪沙は、何も言えなかった。
樹の胸元には、あの日のシーグラスがある。
何年も経っているのに。
まだ、お守りとして。
そして凪沙はまだ知らない。
樹があの日からずっと、心の中で自分を忘れなかったことを。
――海を知らなかった少年が、海の女の子に恋をしたことを。
海の表情をした少女と、野津原の空を愛する少年。
二人の物語は、ここからもう一度始まる。

