海から届いたお守り

夏休み。

凪沙はもう一度、介護施設について詳しく調べていた。

以前見学した施設のことを思い出す。

利用者さんと話したときのこと。

職員さんが優しく声をかけていたこと。

大変そうだけれど、それ以上にやりがいのある仕事だと思った。

「私、やっぱりここで働きたい」

凪沙はそう呟いた。

その日の夕方、樹がやってきた。

「凪沙、何しよるん?」

「施設のこと調べよった」

「まだ調べよるん?」

「うん」

凪沙は笑う。

「だって、働くならちゃんと知っときたいもん」

樹は頷いた。

「そうやな」

「私、介護の仕事、本気でやってみたい」

「うん」

「お母さんみたいになれるかは分からんけど……」

凪沙は少し考えてから言った。

「私なりに、人の役に立てる人になりたい」

樹は優しく笑った。

「凪沙なら大丈夫やと思うよ」

「ほんと?」

「うん」

凪沙は嬉しそうに笑った。

「じゃあ、頑張る」

「俺も頑張るけん」

二人は顔を見合わせた。