海から届いたお守り

夏が近づくにつれて、二人はさらに忙しくなった。

樹は大学受験に向けて勉強する時間が増えた。

学校から帰ると、離れの机に向かって参考書を開く。

分からない問題があると、何度も解き直した。

「……ここ、難しいな」

それでも諦めずに続ける。

凪沙も負けていなかった。

介護についての勉強をしたり、就職について調べたり。

学校の先生にも相談しながら、少しずつ準備を進めていた。

ある夜。

凪沙と樹、おじいちゃん、竜樹、碧が一緒にご飯を食べていた。

おじいちゃんが二人を見る。

「二人とも、最近よう頑張っちょるな」

「うん」

凪沙が笑う。

「樹なんか、ずっと勉強しよるもんな」

竜樹も言った。

「大学受験やけんな」

「凪沙も介護のこと、よう調べよる」

碧が続ける。

おじいちゃんは嬉しそうに二人を見る。

「焦らんでいいけんな。体だけは大事にせえよ」

「はい」

二人が同時に返事をした。

「返事まで一緒やな」

竜樹が笑う。

「ほんとや」

碧も笑った。

食卓に笑い声が広がった。

二人にとって、頑張る場所は違っても、応援してくれる人たちがいる。

それが大きな支えになっていた。