電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

それが思ったより反響を読んでしまったようで、SNSのフォロワーは十万人を超えてしまっていた。

そして、いつの間にかやめ時がわからなくなって⋯⋯結局続けているんだ。

歌うことは好きだし、投稿すること自体嫌なことでは無いから、やめる理由も見つからないんだ。

人前で歌うことは恥ずかしい。きっと、すぐに卒倒してしまうだろう。でも、それは現実での話だ。ここは電子の海。ここでは誰も見つめてこない。変な視線を直接見ることもない。それがどれだけ嬉しいことか⋯⋯。



「ふう⋯⋯」



無事録音が終わって、編集アプリにその音源を読み込んでから、動画を作る。

もともと編集をしていたわけじゃないから、専門の人に頼むこともできたけど⋯⋯とにかく人と会話をする回数を減らしたかった私は、編集の仕方を独学で学んだ。

だから、投稿するにあたって必要なことはすべて自分でできるようになったんだ。

編集が終わって、動画投稿アプリに動画を読み込み、投稿が完了した。

私は基本的に、SNSを見ない。だって、いいことも悪いこともいろいろなことが書かれているから。