電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【修正中】

その驚きを口に出してしまったらきっとまた男の人に捕まってしまうから、私は口を閉じることにした。



「でも、先に声をかけたのは俺だ。この子を待たせたお前らに原因があるだろ!」



っ⋯⋯そんな、無茶苦茶だよ⋯⋯。

もとはといえば、私が楽しみになって早く来すぎちゃったのがいけなかったんだ。

だから、紡くんたちに非は無いのに⋯⋯。

こんなときでも緊張して何も言えなくなってしまう自分に嫌気が差す。



「⋯⋯そうだね〜、僕たちが遅くなっちゃったからだよね〜。⋯⋯⋯⋯でもぉ、⋯⋯⋯⋯からな」



そう言いながら、紡くんは男の人の耳元へ近づき、そっと何かを言ったようだった。

⋯⋯? 何を言ったんだろう⋯⋯?

わかったのは、紡くんが私たちの方へ帰ってくる直前に完全に悪人顔になっていたことと、男の人の顔が真っ青になっていたこと。

き、きっと注意してくれたんだよ、ね⋯⋯?

う、うん⋯⋯そう思うことにしようっ。

考えることすら少し怖くなってしまった私は、そのまま帰ってくる紡くんにお礼を言うことにした。