電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

昔からお父さんやお兄ちゃんから口を酸っぱくして言われていたからなあ⋯⋯あはは。



「それで、ねいろさん⋯⋯音羽さんには、今僕たちが作っている音楽のボーカルを担当してもらいたいんだ。今回は、お試しという形で」



なるほど⋯⋯またボーカルを担当させてもらうかはわからないけど、今回は一度だけやってみないか、っていうことだよね。

その件に関しては、私の方には問題は無い。



「私は⋯⋯大丈夫、です。みなさんがいいのなら⋯⋯歌わせてくだ、さい」



こんな大きなお願い、初めてされたけど⋯⋯でも、皆さんがせっかく私に頼んでくれたんだ。皆さんが気に入るまで、私は歌いたい。



「音羽さん、大丈夫? 紡に脅されたとかじゃない?」

「そっ、そんな⋯⋯! 今は脅されてない、ですよっ⋯⋯?」

「⋯⋯今、は?」



⋯⋯あっ。

自分の発言を思い出して、紡さんに濡れ衣を着せてしまったことを理解した。

ど、どうしようっ⋯⋯!