電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

あれ⋯⋯何か、挟まってる⋯⋯?



「⋯⋯っ!」



そこに書いてあったことは、衝撃的なことだった。


〈ねいろ 活動表〉


ねいろ⋯⋯? あの、伶衣くんがこの間言っていた歌い手のねいろのこと⋯⋯?

頭の中ではだめだとはわかってはいながらも、僕の目は自然とその紙を見てしまった。

僕は、伶衣くんからねいろさんを紹介してもらったときから彼女の活動を追っている。だから、歌が投稿された日時もよく覚えている。

その活動表に書いてあった日時と歌が投稿された日時
が、恐ろしいほどに合致していた。

それに、思い出してみれば彼女の歌声はねいろさんの歌声にそっくりだった。

音羽千星という生徒は、ねいろ⋯⋯?

その疑惑はどんどんと事実に近づいて、すぐにでも彼女に話を聞きたくなってしまった。

明日も、絶対に学校へ行こう。

そして、彼女に⋯⋯千星ちゃんに、話を聞くんだ。

その日が、初めて千星ちゃんの歌を聴いた日だった。

僕は⋯⋯一生、その日を忘れることは無いだろう。なぜなら、彼女の歌声に、確かに心を奪われてしまったのだから。