電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

私は⋯⋯皆さんのように何人でやるんじゃなくて、いつも一人だから⋯⋯。

だから、こうやってたくさんの人と曲を作ることのできる楽しさをMVや皆さんの会話から垣間見えたような気がして、ちょっと嬉しいな。



「え⋯⋯。千星ちゃんが、笑った⋯⋯っ!?」



⋯⋯?

紡さんは、何をそんなに驚いているんだろう⋯⋯?

私はロボットっていうわけじゃないし、笑うことだって泣くことだってあるのにな⋯⋯あはは。



「わっ、私だって、笑うことはありますよっ⋯⋯!」

「いや⋯⋯だって、千星ちゃんずっと緊張してるみたいで表情筋がガッチガチに固まってたんだよ〜?」



うっ⋯⋯。た、確かに、緊張してうまく笑顔になれないことはあったかもしれないけどっ⋯⋯!

一回微笑んだだけで驚かれるっていうことは、相当固い表情をしていたんだろうな⋯⋯あはは。

これからは、もうちょっと表情筋のストレッチでもしようかな⋯⋯?

和やかな雰囲気の音楽室の中で、一人だけ真剣にそんなことを考えている千星であった。