電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

「やっほー! みんな、お客さんだよ〜」



す、すごい⋯⋯重そうなドアなのに、紡さんは軽々と開けている⋯⋯。

私とそんなに身長が変わらなさそうなのに、私と違って紡さんは力持ちなんだなあ⋯⋯。

(ちなみに、千星の身長は147センチで、中学一年生にしては小柄な方です)

紡さんがドアを開けると、放送室の中には三人の男子生徒が固まっていた。

紡さんの声に驚いたのか、はたまた突然やってきた私に驚いているのかはわからないけど、その三人は一斉にこちらを見た。

ひぃ⋯⋯っ!



「っ⋯⋯」

「あれ、千星ちゃん、僕の後ろに隠れちゃった⋯⋯。まあ、恥ずかしかったら僕の後ろにいていいよ〜」



あれ、私⋯⋯紡さんに人見知りだってこと、言ってないはずなのに⋯⋯。

きっと、急に隠れた私に対して何かを察してくれたんだろうな。

⋯⋯やっぱり、今朝の紡さんは私の幻覚だよね。こんなに優しい人があんなに怖い表情になるわけがな___



「こちら、歌姫のねいろさん! 僕たちの学校に通っていたなんて、奇跡だよね〜!」



⋯⋯前言撤回。やっぱり、紡さんは怖い人だっ⋯⋯!



「な、なんで言っちゃうんです、かあ⋯⋯っ!」

「え〜。だって別に良くない? 後に延ばしたところで何も変わらないよ〜?」



た、確かにそうかもしれないですけど⋯⋯!