「ねえ、美優! 今日の数学のテスト、どうだった?」
放課後のチャイムが鳴り響くと同時に、乃愛が前の席からくるりと振り返った
その手には、小さく折りたたまれた解答用紙が握られている。
「聞かないでよ……。公式をど忘れして、最後の大問が丸々白紙なんだから」
「あはは、やっぱり? 美優、テスト中ずっと頭を抱えて唸ってたもんね」
乃愛はクスッと悪戯っぽく笑うと、美優の机の上にそっと自分のノートを置いた
そこには、乃愛の丁寧できれいな文字で、公式の覚え方がカラフルなペンで分かりやすくまとめられている
「ほら、これ。次の追試の時に使って?」
「乃愛……! やっぱり持つべきものは優秀な幼馴染だね。大好き!」
「もう、現金なんだから」



