ひんやりとした空気が漂う水族館のエントランスを抜けると、色鮮やかな魚たちが泳ぐ大水槽の青い光がメンバーたちを包み込んだ。
水族館に着いた瞬間から、すみれはここぞとばかりに龍之介の腕にぴったりと寄り添い、少しも離れようとしない。
「ねえ龍之介くん、見て! あのクラゲすごくきれい!」
「本当だね」
甘えるすみれと、それに優しく微笑む龍之介。
その仲睦まじい様子を、ひまりは少し離れた場所から切なそうな表情で見つめていた。
そんなひまりの沈んだ背中を見逃さなかったのは、慧だった。
慧はスッとひまりの隣に歩み寄ると、水槽の魚を見るふりをして、さりげなく彼女の視界を自分へと向けさせる。
「ねえ、ひまり。俺たちもあっちのペンギン見に行こうぜ」
「……うん、そうだね」
慧はひまりを優しくエスコートし、自然な流れで2人きりのペースをつくって歩き出した。
周りの目を気にせず、ただまっすぐに自分を見てくれる慧の優しさに救われながらも、ひまりはどこかモヤモヤとした気持ちを抱えていた。
そんなひまりの様子を横目で感じ取りながら、慧は少し呆れたような、でも愛おしそうな笑みを浮かべて口を開く。
「なぁ、ひまり。さっきからずっと龍之介を目で追って、溜息ついてさ……。そんなに龍之介が好きなんだろ? 分かりやすすぎだって」
「えっ……そんなことないよ!」
「あるし。最初にも言ってたじゃん。会いたいって!……そんなに好きならさ、自分でちゃんと誘って想い伝えなよ。見ててモヤモヤするわ」
少しだけ拗ねたような、でも背中を押してくれるような慧のストレートな言葉に、ひまりはハッと息を呑んだ。
その頃、大水槽の反対側では、佐奈と玲央の2人がゆっくりと足を進めていた。
「玲央くん、魚見るの好きなの?」
「うん、こういう落ち着いた場所、結構好きなんだ。佐奈ちゃんは?」
「私も好き! ……あ、でも、水族館より、玲央くんとこうして話せてることの方が嬉しいかも……なんて」
照れくさそうにはにかむ佐奈の横顔を見て、玲央はふと立ち止まった。
「ねえ、佐奈ちゃん。昨日からずっと気になってたんだけどさ……俺、佐奈ちゃんに一番気持ちが向いてるんだ。他の誰でもなくて、佐奈ちゃんが好きなの」
「え……?」
驚いて見上げた佐奈の瞳に、まっすぐ自分を見つめる玲央の真剣な眼差しが映る。
「昨日、翔と話してるところを見て、取られたくないって本気で焦った。それが俺の嫉妬だって気づいてから、もう隠せないんだ。……俺と……いや、まだ早いか。とにかく、俺は佐奈ちゃんが好きだよ」
玲央の不器用だけど真っ直ぐな告白に、佐奈の目から大粒の涙がポロリとこぼれ落ちた。
「っ……私も、ずっと玲央くんだけだったの。一目惚れしたときから、ずっと……!」
「泣かないでよ、佐奈ちゃん」
「だって、嬉しすぎて……」
お互いの口から飛び出した、偽りのない同じ気持ち。
言葉にしなくても、視線を合わせただけでお互いがどれだけ想い合っているのかが痛いほど伝わってくる。
すれ違いを乗り越えて確かめ合ったふたりの心は、もう迷うことなくガッチリと結びついていた。
この水族館の青い光の中で、佐奈と玲央は正真正銘の「両思い」となったのだった。
水族館に着いた瞬間から、すみれはここぞとばかりに龍之介の腕にぴったりと寄り添い、少しも離れようとしない。
「ねえ龍之介くん、見て! あのクラゲすごくきれい!」
「本当だね」
甘えるすみれと、それに優しく微笑む龍之介。
その仲睦まじい様子を、ひまりは少し離れた場所から切なそうな表情で見つめていた。
そんなひまりの沈んだ背中を見逃さなかったのは、慧だった。
慧はスッとひまりの隣に歩み寄ると、水槽の魚を見るふりをして、さりげなく彼女の視界を自分へと向けさせる。
「ねえ、ひまり。俺たちもあっちのペンギン見に行こうぜ」
「……うん、そうだね」
慧はひまりを優しくエスコートし、自然な流れで2人きりのペースをつくって歩き出した。
周りの目を気にせず、ただまっすぐに自分を見てくれる慧の優しさに救われながらも、ひまりはどこかモヤモヤとした気持ちを抱えていた。
そんなひまりの様子を横目で感じ取りながら、慧は少し呆れたような、でも愛おしそうな笑みを浮かべて口を開く。
「なぁ、ひまり。さっきからずっと龍之介を目で追って、溜息ついてさ……。そんなに龍之介が好きなんだろ? 分かりやすすぎだって」
「えっ……そんなことないよ!」
「あるし。最初にも言ってたじゃん。会いたいって!……そんなに好きならさ、自分でちゃんと誘って想い伝えなよ。見ててモヤモヤするわ」
少しだけ拗ねたような、でも背中を押してくれるような慧のストレートな言葉に、ひまりはハッと息を呑んだ。
その頃、大水槽の反対側では、佐奈と玲央の2人がゆっくりと足を進めていた。
「玲央くん、魚見るの好きなの?」
「うん、こういう落ち着いた場所、結構好きなんだ。佐奈ちゃんは?」
「私も好き! ……あ、でも、水族館より、玲央くんとこうして話せてることの方が嬉しいかも……なんて」
照れくさそうにはにかむ佐奈の横顔を見て、玲央はふと立ち止まった。
「ねえ、佐奈ちゃん。昨日からずっと気になってたんだけどさ……俺、佐奈ちゃんに一番気持ちが向いてるんだ。他の誰でもなくて、佐奈ちゃんが好きなの」
「え……?」
驚いて見上げた佐奈の瞳に、まっすぐ自分を見つめる玲央の真剣な眼差しが映る。
「昨日、翔と話してるところを見て、取られたくないって本気で焦った。それが俺の嫉妬だって気づいてから、もう隠せないんだ。……俺と……いや、まだ早いか。とにかく、俺は佐奈ちゃんが好きだよ」
玲央の不器用だけど真っ直ぐな告白に、佐奈の目から大粒の涙がポロリとこぼれ落ちた。
「っ……私も、ずっと玲央くんだけだったの。一目惚れしたときから、ずっと……!」
「泣かないでよ、佐奈ちゃん」
「だって、嬉しすぎて……」
お互いの口から飛び出した、偽りのない同じ気持ち。
言葉にしなくても、視線を合わせただけでお互いがどれだけ想い合っているのかが痛いほど伝わってくる。
すれ違いを乗り越えて確かめ合ったふたりの心は、もう迷うことなくガッチリと結びついていた。
この水族館の青い光の中で、佐奈と玲央は正真正銘の「両思い」となったのだった。



