通りすがりの俺様




「鳴沢さんって肝がすわってるよね~」

 離れた席からいずるたちを見ていた矢端が笑って一鷹に言う。

 ちなみに、一鷹たちの後ろの席にいた川西節子は、一体、どうやって片づけられるんだろうという顔で震えていた。

 ――あいつら全員、声がデカいから内緒の話はできないな。

 そんないずるには、なにか大きな秘密があるようだが。

 あんな、なにもかもざっくばらんに話していたら、簡単にその秘密もわかりそうなものだが。

 いつも肝心なところは、するっと隠してしまって、真実がわからない。

 明け透けになにもかも話しているように見えて、少しずつ調節しながら、情報を開示してきているのだろう。

 ……食えない女だなあ。
 嫌いじゃないが。

 今日は同期でご飯を食べに行く、といずるが言っていたので、夜、一鷹はちょっと気になっていることを確かめに行った。

 駅からすぐの場所に目的地はあった。

 その小さなビルの隣にはゲーセンなんかもあって、自分だったら確実に寄って帰るな、と思いながら待っていると、そいつは現れた。