通りすがりの俺様

 



「じゃあ、ちょっとだけ説明しますと。
 実は私、とある物を所有していまして。

 それを狙っている人たちがいるかもしれないんです」

「すごいダイヤとか?」
と一鷹が適当に言ったセリフに、矢端が、

「すごいダイヤってなに」
と突っ込む。

「……呪いのホープダイヤとか?」

 呪われるじゃないですか……、と思いながら、いずるは言った。

「違います。
 それがなにかは言えないんですけど。

 それを手に入れると、儲かる人たちがいるので」

「……それ、手に入れたのが僕でも儲かる?」
と真顔で矢端が訊いてくる。

「はい」

「なに素直に答えてんだ」
 矢端がお前を狙ってきたらどうすんだ、と一鷹が言う。

「まあ、実際のところ、私から奪っても意味ないです。

 私ごと奪うか。
 私を始末して、それが手に入るのを待つか、ですね」

 矢端がちょっと笑って、
「……それは結構な賭けだね」
と言った。