「へえー、高校生の自転車と接触しかけたの。
その高校生は関係ないの?」
昼休み、いずるは一鷹と矢端、それに晴菜というメンバーでランチに出ていた。
矢端がもうちょっとだけ詳しい話を聞きたいと言ったらしい。
ちなみに晴菜が混ざっているのは、ちょうどランチに誘われているとき、側にいたからだ。
「あ、なんか内緒の話するの?
大丈夫、私、一ミリも興味ないからっ」
と笑顔で言う晴菜がほんとうに興味なさそうだったので、連れてきた。
実際、晴菜は、
「いや~、イケメン二人を拝みながらのお洒落なランチとか夢のようっ。
いずる様様だわ~」
と無邪気に喜び、
新しくできた店のガラス張りの店内で、サーモンとアボガドのブルスケッタを美味しそうに頬張りながら、一鷹と矢端の顔しか眺めていなかった。
しかし、矢端さん、いきなり、その高校生は関係ないの? とは。
まだなにも言っていないのに。
勘のいい人だ、と思いながら、いずるは結局、矢端に話した。
「実はもしかしたら、彼も、私の……
あるものを狙っているかもしれないんです」
そういずるが言うと、一鷹が、
「貞操を?」
と言う。
「いや、相手は高校生ですよ?
それも面識のない」
「だって、お前だぞ!」
矢端が、
「……なんだろう。
事件の話を聞いていたはずなのに、いつの間にか、阿呆なカップルの話になっている」
と呟いていた。



