通りすがりの俺様




「だって、そもそも、小野寺さんはもう水内さんのファンじゃないんで」

 みんなの中に入りたかっただけだと思いますよ、とみんなが去ったあと、いずるは説明した。

「なんか知らない間に俺が振られたみたいになっている……」

 眉をひそめて一鷹が言ったとき、いずるの同期、水鳥七人(みずどり ななと)の声が聞こえてきた。

 そちらを見る。

 七人のことはは、
「茶色がかった巻き毛が可愛い」
とか言って網代木たちが結構気に入っているようだった。

 その七人が、なんかちょっとイチャイチャしながら女子社員とやってきた。

 いや、イチャイチャなのかは知らないが。

 二人の間に距離はあるが、照れたように七人が彼女になにかを返していたからだ。

「お弁当だ」
と目がいい一鷹が素早くそれがなにかに気づいて言う。

「いいな、お弁当だ」

 何故、今、二回繰り返しました……?