ホテルの怖い話短編集

そんな胡散臭いもの一切信用していなかったけれど、こんな状況になってから改めて黒魔術は本物なのかもしれないと思うようになってきた。
「結婚前はあんなんじゃなかったのになぁ」
そう呟いてスマホをテーブルに投げ出す。
そのまま脱力してベッドに横になった。
アイツとは元妻の洋子のことだった。
洋子と俺が出会ったのは新卒で入社した会社でのことだった。
洋子と俺は同じ営業部に配属されて、同じ先輩に教えてもらう立場になった。
外周りが多くて精神をすり減らしていく営業部の仕事は俺には合わず、すぐに音を上げていたのだけれど、そのたびに洋子が励ましてくれた。