「ねえ、りん」
「ん?」
学校を出て、二人で並んで歩く。
綾花は少し歩いてから、さっきから気になっていたことを口にした。
「さっき、松宮くんと何話してたの?」
「んー?」
「秘密って言ってたじゃん」
「うん、言ったね」
「何話してたの?」
「秘密」
「えー、教えてよ」
「やだ笑」
「りんのケチ」
綾花が少し頬を膨らませる。
凛花はそんな綾花を見て笑った。
「そんな気になる?」
「だって気になるじゃん」
「ふーん」
「なに?」
「別に?」
少し歩いてから、綾花がふと思い出したように口を開く。
「そういえばね」
「ん?」
「昨日、松宮くんと帰ったじゃん?」
「うん」
「そのときね」
「うん」
「松宮くんが『俺のこと好き?』って聞いてきたの」
「……それ、さっきも聞いたよ笑」
「そうだっけ?」
「うん」
「じゃあ、その続き!」
綾花は楽しそうに笑う。
「私が『好きだよ』って言ったら、松宮くん、すっごい驚いてたの」
「そりゃ驚くでしょ」
「『え!?』って」
「ふふっ」
「それで私が『後輩としてね』って言ったら」
綾花は思い出したように笑う。
「『先輩ずるい』って言われた」
「ふふふっ」
「ほんと面白かったんだよ」
「うん」
「松宮くんって、いつもあんなこと言ってくるのに、私がちょっと返したらすぐ顔に出るんだよね」
「へえ」
「なんか可愛くない?」
「……あや」
「ん?」
「松宮くんのこと、可愛いって思ってるの?」
「え?」
綾花は少し考える。
「うん。可愛い後輩だよ?」
「……まあ、そうだよね」
「何?」
「なんでもない」
「変なの笑」
綾花はまた歩きながら話し始める。
「あとね、松宮くんって結構優しいんだよ」
「へえ」
「昨日もちゃんと私の話聞いてくれたし」
「うん」
「歩く速さも合わせてくれたし」
「……」
「それに、話してると楽しいんだよね」
「そんなに?」
「うん!」
綾花は即答する。
「松宮くん、ほんと面白いから」
「そっか」
「あとね」
「まだあるの?笑」
「あるよ笑」
「どんだけ話すの」
「だって昨日の話、まだあるもん」
綾花は笑いながら続ける。
「松宮くんって、私のことすごい褒めてくるの」
「例えば?」
「可愛いとか」
「うん」
「先輩、今日も可愛いですね、とか」
「……それ、結構言われてるね」
「うん」
「で、あやは何て返すの?」
「ありがとうって」
「それだけ?」
「うん」
「ふふ」
凛花が笑う。
「何?」
「いや、あやらしいなって」
「?」
綾花は首を傾げる。
「でも」
凛花が少しだけ綾花を見る。
「嬉しいんでしょ?」
綾花は少し考えてから、
「……うん」
と答えた。
「松宮くんに褒められるの、嬉しいよ」
「そっか」
「なんかね」
綾花は少し笑う。
「松宮くんがいると、楽しいんだよね」
凛花は何も言わずに笑った。
「……まあ、いいんじゃない?」
「何が?」
「松宮くんと仲良くなるの」
「うん!」
綾花は嬉しそうに頷く。
そして少し歩いたところで、
「あ、そういえばね」
「まだあるの!?」
「あるよ笑」
「もう、あやの口から松宮くん何回出てくるの笑」
「だって話したいんだもん」
「はいはい」
二人の笑い声が、夕方の帰り道に響いた。
凛花はそんな綾花を見ながら、心の中で小さく笑う。
――本人だけが、まだ気づいてないんだろうな。
「ん?」
学校を出て、二人で並んで歩く。
綾花は少し歩いてから、さっきから気になっていたことを口にした。
「さっき、松宮くんと何話してたの?」
「んー?」
「秘密って言ってたじゃん」
「うん、言ったね」
「何話してたの?」
「秘密」
「えー、教えてよ」
「やだ笑」
「りんのケチ」
綾花が少し頬を膨らませる。
凛花はそんな綾花を見て笑った。
「そんな気になる?」
「だって気になるじゃん」
「ふーん」
「なに?」
「別に?」
少し歩いてから、綾花がふと思い出したように口を開く。
「そういえばね」
「ん?」
「昨日、松宮くんと帰ったじゃん?」
「うん」
「そのときね」
「うん」
「松宮くんが『俺のこと好き?』って聞いてきたの」
「……それ、さっきも聞いたよ笑」
「そうだっけ?」
「うん」
「じゃあ、その続き!」
綾花は楽しそうに笑う。
「私が『好きだよ』って言ったら、松宮くん、すっごい驚いてたの」
「そりゃ驚くでしょ」
「『え!?』って」
「ふふっ」
「それで私が『後輩としてね』って言ったら」
綾花は思い出したように笑う。
「『先輩ずるい』って言われた」
「ふふふっ」
「ほんと面白かったんだよ」
「うん」
「松宮くんって、いつもあんなこと言ってくるのに、私がちょっと返したらすぐ顔に出るんだよね」
「へえ」
「なんか可愛くない?」
「……あや」
「ん?」
「松宮くんのこと、可愛いって思ってるの?」
「え?」
綾花は少し考える。
「うん。可愛い後輩だよ?」
「……まあ、そうだよね」
「何?」
「なんでもない」
「変なの笑」
綾花はまた歩きながら話し始める。
「あとね、松宮くんって結構優しいんだよ」
「へえ」
「昨日もちゃんと私の話聞いてくれたし」
「うん」
「歩く速さも合わせてくれたし」
「……」
「それに、話してると楽しいんだよね」
「そんなに?」
「うん!」
綾花は即答する。
「松宮くん、ほんと面白いから」
「そっか」
「あとね」
「まだあるの?笑」
「あるよ笑」
「どんだけ話すの」
「だって昨日の話、まだあるもん」
綾花は笑いながら続ける。
「松宮くんって、私のことすごい褒めてくるの」
「例えば?」
「可愛いとか」
「うん」
「先輩、今日も可愛いですね、とか」
「……それ、結構言われてるね」
「うん」
「で、あやは何て返すの?」
「ありがとうって」
「それだけ?」
「うん」
「ふふ」
凛花が笑う。
「何?」
「いや、あやらしいなって」
「?」
綾花は首を傾げる。
「でも」
凛花が少しだけ綾花を見る。
「嬉しいんでしょ?」
綾花は少し考えてから、
「……うん」
と答えた。
「松宮くんに褒められるの、嬉しいよ」
「そっか」
「なんかね」
綾花は少し笑う。
「松宮くんがいると、楽しいんだよね」
凛花は何も言わずに笑った。
「……まあ、いいんじゃない?」
「何が?」
「松宮くんと仲良くなるの」
「うん!」
綾花は嬉しそうに頷く。
そして少し歩いたところで、
「あ、そういえばね」
「まだあるの!?」
「あるよ笑」
「もう、あやの口から松宮くん何回出てくるの笑」
「だって話したいんだもん」
「はいはい」
二人の笑い声が、夕方の帰り道に響いた。
凛花はそんな綾花を見ながら、心の中で小さく笑う。
――本人だけが、まだ気づいてないんだろうな。



