彼が好きだったツインテールをするために伸ばしていた髪の毛も、少しでも地味に見えるようにボブにした。
二重がはっきり見えてしまうから、コンタクトをやめてメガネにして。
……もう恋なんて絶対にしない。
このまま、芋女としてしぬまで生きるんだ。
「ん?あれ?一絛先輩?一絛先輩ですよね?」
髪も切って、目元も悪い意味のイメチェンをしたと言うのに。どうしてこの容姿で見抜けたのか。そしてこの声の主は誰なのか。
後輩に面識のある人なんて、この学校にはいない……はず。
「人違い…じゃ、ないですよね?無視しないでくださいよー」
私に残された選択肢は、二つ。
誰なのか分からないけど、知ったフリをして笑顔で適当に話をするか。フル無視して、ただ行きたい場所に向かうか。
こんなしょうもない選択肢に悩んで、私を私だと見抜かれたことに焦りと不安が止まらなくて。
変な汗をかくし、心臓はここにいる人たちに聞こえそうなくらい暴れてる。



