次に繋げるラスト・パス!

県大会を制覇し、東中学校女子バレー部は、さらなる高みである「全国大会」への切符を手に入れた。

数日後、放課後の体育館。
夕日が大きな窓から差し込み、コートの床をオレンジ色に染め上げている。
「ほら、乙葉、もっと足上げて! レシーブの基本でしょ!」
「先輩、さっきから私のスパイクレシーブばっかりじゃないですか!」
「だって、乙葉から上げるボール、最近さらに取りやすくなってんだもん。もっと特訓するよ!」
梨央奈と乙葉が、キャッキャと笑い合いながらボールを追いかけている。
周囲の部員たちも、かつての冷ややかな態度はどこへやら、二人を温かい笑顔で見守りながら、一緒にネットの片付けを手伝っていた。
部室の隅に自分のバッグを置き、乙葉はふと、自分の手のひらを見つめた。
小学校の頃は、ただ冷たくて、何も掴めない無力な手だと思っていた。
でも今は違う。この小さな両手で、大好きな仲間たちの未来を、そして自分自身の誇りを、しっかりと支えている。
「……星坂さーん、こっち手伝ってよ!」
「はい、今行きます!」
仲間に呼ばれ、乙葉はパッと顔を輝かせて駆け出した。
125センチの身体。
それは、バレーボールにおいては決して大きくないかもしれない。
しかし、その小さな背中が背負っていたのは、誰よりも熱い情熱と、誰にも折れない誇り高い魂だった。
「行くよ、乙葉!」
「はいっ、どんなボールだって、私が絶対に拾ってみせます!」
二人の声が重なり合い、夕暮れの体育館に、再び心地よいボールの弾む音が響き渡る。


小さなリベロの物語は、ここからさらに遠く、眩しい未来へと続いていく――。