イケメン三兄弟×美少女三姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──恋に興味のない私は、姉妹の恋を見守ります。──

地元の神社で開かれた夏祭り。
浴衣姿の6人が境内を歩く中、屋台の明かりがそれぞれの横顔を照らしていた。
「わあ、すごい人! はぐれないようにしないとね、こは姉!」
「そうだね、ちはる、手をつないでおこうか」
金魚すくいや綿あめの屋台が並ぶ中、ちはるはこはるの手をしっかり握りながらキョロキョロと辺りを見回している。
その少し後ろを歩く蒼と旭は、それぞれ心の中で別のプレッシャーと戦っていた。
(……人混みにかこつけて、せめて手くらい……いや、でもお兄ちゃんポジションから抜け出せないし……!)
蒼が一人で葛藤していると、隣で旭がボソッと呟いた。
「……お前、わかりやすい顔してんな」
「うるさいお前こそ、さっきからちはるの背中ばかり見てるだろ」
「……うるせぇ」
図星を突かれた旭の耳が、わずかに赤くなる。
そんな兄たちの情けない背中を、境内の一番端のベンチから歩とみはるは冷ややかに眺めていた。
「ねえ歩、あいつら今日こそ何か進展あるわけ?」
「ないだろ。一生あの調子だよ、きっと」
みはるがりんご飴をかじりながら呆れたように言うと、歩は缶ジュースを一口飲んで肩をすくめた。
「でもさ、みはる。あのバカ共が右往左往してるおかげで、俺たちはこうしてゆっくり祭りが楽しめるんだから感謝しないとな」 「……まあ、それだけは同意してやる」
お祭り特有の賑やかな喧騒の中、恋に奥手な4人と、それを冷ややかに観戦する2人の温度差は、いつも通り変わらないまま夜を彩っていく。