イケメン三兄弟×美少女三姉妹の不器用すぎる甘い恋 ──恋に興味のない私は、姉妹の恋を見守ります。──

夕暮れ時の帰り道、少し離れた歩道では、蒼とこはるが並んで歩いていた。
「ねえ蒼、今日の夕飯のメニューさ、こは姉のハンバーグにお前が買ってきたチーズを乗せたら絶対美味しいよね!」
「あ、ああ……そうだな」
こはるの屈託のない笑顔を見るたびに、蒼の胸のうちは複雑な甘さと切なさに満たされる。
(いつになったら、俺のこの気持ちに気づくんだよ……)
長男として、幼なじみとして、常に「頼れるお兄ちゃん」のポジションを陣取ってきた報いか、こはるにとって蒼はいつまでも恋愛対象外の「家族のような存在」でしかなかった。
そんな二人の様子を、少し離れた電柱の物陰からじっと観察している影が二つ。
「なぁ、見ろよあれ。蒼兄、今日も綺麗に『お兄ちゃん枠』の三途の川を渡りかけてるぞ」
「ほんと、見てて哀れになるレベルだな。あんなに分かりやすく顔に『好き』って書いてあるのに、あの鈍感バカ長女は微塵も気づく気配がない」
歩とみはるの末っ子コンビは、持っていたジュースを飲みながら冷ややかな眼差しを送る。
「ま、俺たちは一生このままで高みの見物決め込むに限るな」
「賛成。……ほら、行くぞ歩。これ以上見てたらこっちの胃が痛くなってきた」