冷徹営業トップは私の限界オタクでした



自分のデスクへ戻ると、陽菜子のスマホに神崎から連絡があった。

『今日のランチご一緒にどうですか?』

その文字を見ただけで、陽菜子の胸は嬉しくなった。
けれど、すぐに先ほど聞いた会話が頭をよぎる。
神崎は本来、昼も取引先との予定が多い人だ。
それなのに、この二週間は何度も自分と昼食をとっていた。
――もしかして、私に合わせて予定を変えていたの?
本当は一緒に食べたかった。
それでも、これ以上自分のせいで神崎の仕事を邪魔したくなかった。
陽菜子は唇をきゅっと結び、返信する。

『ごめんなさい。今日は難しいです。』

すぐに既読がついた。
ほどなくして、神崎から返信が届く。

『分かりました。お仕事頑張ってくださいね。』

そして陽菜子はスマホを伏せた。

「……これでいいんだよね」