その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

そんな多久の頭に、レイはそっと、不器用ながらも温かい手を置いた


「顔を上げてください、多久さん。あなたは私の大切な『黒曜』の仲間です。仲間が窮地にあるとき、この命を懸けて盾となるのが、総長である私の役目ですから」


レイはフッと綺麗に微笑み、ポケットから一冊の黒い手帳を取り出して多久に見せた


「それに、あなたの集めてくれる情報がなければ、私はここに辿り着くこともできませんでした。この手帳には、あなたの功績もすべて刻まれています。だから、自分を卑下するのはやめなさい」


「……っ、はい!! ありがとうございます、レイさん……!!」


多久は涙を拭い、この人のためなら、どんな暗躍だって、どんな情報収集だって一生やり遂げてみせると、深く心に誓った


倉庫の外に出ると、そこには心配で待ちきれず、バイクを飛ばしてきた颯太、一ノ瀬、蓮、陸の4人が待っていた


「レイ! 多久! 無事か!?」


颯太が真っ先に駆け寄る。


レイは4人の顔を見ると、いつもの完璧で冷徹な総長の仮面に戻り、静かに告げた


「ええ。雑音の掃除はすべて完了しました。ガレージに戻りましょう、皆さん」


「「はい! 総長!!」」


月明かりの下、傷つきながらも真の絆を確かめ合った『黒曜』の単車が、


再び夜の街の頂点へと向かって、爆音と共に走り出すのだった。