その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂


「……私の大切な仲間を、その汚い手で汚したのはお前たちですか。これ以上、騒がしい真似はさせません」


「ハッ、女一人が粋がってんじゃねえよ! 囲め! ブチ殺せ!」


ボスの合図と共に、三十人の男たちが一斉にレイへと襲いかかる。


鉄パイプが容赦なくレイの脳天めがけて振り下ろされた


しかし、レイの動きは最狂だった。


最初の一撃を紙一重で完璧に見切ると、カウンターの回し蹴りが男の顎を綺麗に捉え、一撃で気絶させる


そのまま奪い取った鉄パイプを武器に、レイは敵の群れの中心へと自ら飛び込んでいった


鋭い打撃音が倉庫内に響き渡る。


レイの体術はまさに芸術だった


多勢に無勢であるはずの状況で、彼女は一寸の隙もない完璧な身のこなしで、襲いかかる敵を次々と地べたに叩きつけていく


バキッ、ドカッ、と男たちが悲鳴を上げて崩れ落ちていく


だが、敵の数が多すぎる


背後から放たれたバットのフルスイングを避けた瞬間、別の男が放ったナイフの刃先が、レイの白い頬をかすめた。