その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

誰にでも敬語。

だけど、鋭い刃のようなその言葉に、颯太は怒るどころか、楽しそうに目を輝かせた

「うわ、言うねぇ! お淑やかなツラして、マジで刺さりそうな敬語じゃん」

その時だった。

「おいおい、鳳のガキどもがイチャついてんじゃねえぞ!」

闇の中から、鉄パイプを持った他校の不良5人がゾロゾロと現れ、2人の単車を取り囲んだ

「チッ……面倒な奴らに見つかったな」

颯太が戦おうと身構えた、その瞬間

衣服の擦れる綺麗な音が夜風に響いた

次の瞬間には、レイが流れるような体術で最初の一人の懐に潜り込み、完璧な掌底を顎に叩き込んでいた

ドン!と鈍い音がして、不良が白目を剥いて崩れ落ちる

「え……?」

颯太が唖然とする中、澪は流れるような舞を踊るように、わずか数十秒で残りの4人を地べたに這いつくばらせた

一分の隙もない、圧倒的な、次元の違う暴力

「……手加減をして差し上げたいのは山々ですが、あいにくその方法を存じ上げないのです。そこへ直りなさい」

傷一つ負わずに、制服の襟を正す澪。

それを見た颯太は、完全に魂を撃ち抜かれたように口を開けて固まっていた

だが、すぐにクシャッと髪を掻き、観念したように大爆笑した。