文化祭が終わり、学校にはいつもの日常が戻ってきた。
窓の外では、蝉が少しずつ鳴き始めている。
教室には、夏休みまでのカウントダウンを楽しむ声があちこちから聞こえてきた。
終業式まで、あと少し。
昼休み。
私は日菜と窓際でお弁当を食べていた。
「ねぇ、愛梨」
日菜が箸を止めて、にこっと笑う。
「夏休み、海行かない?」
「海?」
思わず聞き返すと、日菜は大きく頷いた。
「せっかくの高校最初の夏休みだし、みんなで思い出作ろーよ!」
その言葉に、自然と笑みがこぼれる。
「行きたい!」
そう答えると、日菜は嬉しそうに笑った。
「よし、決まり!」
スマホを取り出しながら、何かを思いついたように顔を上げる。
「せっかくだしさ」
「湊音と、慧も誘おっか」
その名前を聞いた瞬間。
胸が、どきっと鳴る。
「えっ……」
「人数多い方が絶対楽しいじゃん!」
日菜はそう言って、私の返事を待たずにスマホを操作し始めた。
数分後。
「返事きた!」
画面を私にも見せる。
湊音くんからは。
『もちろん!』
スタンプまで付いている。
思わず笑ってしまった。
そして。
月城くんからは、一言だけ。
『いいよ』
短い返事。
でも、ちゃんと来てくれるんだ。
そう思っただけで、胸が少しだけ弾んだ。
その日の放課後。
「まずは水着を買わなきゃ!」
日菜に腕を引かれ、私たちは駅前のショッピングモールへやって来た。
自動ドアが開くと、ひんやりとした冷たい空気が頬を撫でる。
館内には夏らしい音楽が流れ、あちこちのお店には色鮮やかな水着が並んでいた。
「かわいい……!」
思わず声が漏れる。
白や水色。
ラベンダーに、淡いピンク。
見ているだけで心が弾む。
「愛梨は絶対、淡い色が似合う!」
日菜はラックから一着の水着を取り出した。
白を基調に、紫色のフリルがあしらわれた、涼しげで少し大人っぽいデザイン。
「これとかどう?」
「かわいい……!」
鏡の前で合わせてみる。
なんだか少し、大人っぽい。
紫のフリルが、光の加減でやわらかく揺れる。
「試着してきな!」
背中を押され、私は照れながら試着室へ向かった。
数分後。
カーテンをゆっくり開ける。
「ど、どうかな……?」
恐る恐る聞くと。
日菜は目を丸くした。
「……え、かわいい」
「愛梨、それにしよ!」
「ほんと?」
「うん!」
日菜は何度も頷く。
「すごい似合ってる!」
照れくさくなって笑う私を見ながら、日菜はふっと意味ありげに笑った。
「これ着て行ったらさ」
「きっと、誰かさんもドキドキ隠せないね〜」
「……誰かさん?」
首を傾げると、日菜はニヤリと笑う。
「なんでもないよ〜」
そう言って笑い飛ばす。
夏休みまで、あと少し。
今年の夏は、きっと忘れられない夏になる。
そんな予感だけが、胸の中で静かに膨らんでいた。
窓の外では、蝉が少しずつ鳴き始めている。
教室には、夏休みまでのカウントダウンを楽しむ声があちこちから聞こえてきた。
終業式まで、あと少し。
昼休み。
私は日菜と窓際でお弁当を食べていた。
「ねぇ、愛梨」
日菜が箸を止めて、にこっと笑う。
「夏休み、海行かない?」
「海?」
思わず聞き返すと、日菜は大きく頷いた。
「せっかくの高校最初の夏休みだし、みんなで思い出作ろーよ!」
その言葉に、自然と笑みがこぼれる。
「行きたい!」
そう答えると、日菜は嬉しそうに笑った。
「よし、決まり!」
スマホを取り出しながら、何かを思いついたように顔を上げる。
「せっかくだしさ」
「湊音と、慧も誘おっか」
その名前を聞いた瞬間。
胸が、どきっと鳴る。
「えっ……」
「人数多い方が絶対楽しいじゃん!」
日菜はそう言って、私の返事を待たずにスマホを操作し始めた。
数分後。
「返事きた!」
画面を私にも見せる。
湊音くんからは。
『もちろん!』
スタンプまで付いている。
思わず笑ってしまった。
そして。
月城くんからは、一言だけ。
『いいよ』
短い返事。
でも、ちゃんと来てくれるんだ。
そう思っただけで、胸が少しだけ弾んだ。
その日の放課後。
「まずは水着を買わなきゃ!」
日菜に腕を引かれ、私たちは駅前のショッピングモールへやって来た。
自動ドアが開くと、ひんやりとした冷たい空気が頬を撫でる。
館内には夏らしい音楽が流れ、あちこちのお店には色鮮やかな水着が並んでいた。
「かわいい……!」
思わず声が漏れる。
白や水色。
ラベンダーに、淡いピンク。
見ているだけで心が弾む。
「愛梨は絶対、淡い色が似合う!」
日菜はラックから一着の水着を取り出した。
白を基調に、紫色のフリルがあしらわれた、涼しげで少し大人っぽいデザイン。
「これとかどう?」
「かわいい……!」
鏡の前で合わせてみる。
なんだか少し、大人っぽい。
紫のフリルが、光の加減でやわらかく揺れる。
「試着してきな!」
背中を押され、私は照れながら試着室へ向かった。
数分後。
カーテンをゆっくり開ける。
「ど、どうかな……?」
恐る恐る聞くと。
日菜は目を丸くした。
「……え、かわいい」
「愛梨、それにしよ!」
「ほんと?」
「うん!」
日菜は何度も頷く。
「すごい似合ってる!」
照れくさくなって笑う私を見ながら、日菜はふっと意味ありげに笑った。
「これ着て行ったらさ」
「きっと、誰かさんもドキドキ隠せないね〜」
「……誰かさん?」
首を傾げると、日菜はニヤリと笑う。
「なんでもないよ〜」
そう言って笑い飛ばす。
夏休みまで、あと少し。
今年の夏は、きっと忘れられない夏になる。
そんな予感だけが、胸の中で静かに膨らんでいた。


