部長たちが会議室を出ていくと、部屋は急に静かになった。
……昨日の、デジャヴ。
テーブルには、何度も修正を重ねた資料。
でもひとまず“これでいこう”と言ってもらえた安心感はちゃんとあった。
───ただ、ひとつ山を越えたと思った先に、また山。
私はさっきまで書き込んでいたメモを見返しながら、小さく息をつく。
「……ブランドコンセプト、か」
思っていたより、ずっと大きな話になってしまった。
木ノ下くんは広げていた資料をまとめながら、ごく自然に言う。
「じゃあ、まずコンセプトを詰めよう」
当たり前だけど、彼の中ではもう次を見据えている。
こっちはまだ気持ちが追いついていないというのに。
私は並んで座ったまま、開いていたパソコンの画面を切り替える。
「それなら私は営業向けの説明も並行して考えたいんだけど」
言った途端に、木ノ下くんの手が止まる。
「いや、それはまだ早いと思う」
「早くないよ」
即座に言い返して、隣で足を組んでいる彼の方へ身体ごと向ける。
「営業は準備に時間がかかるの。ブランドが決まってから説明考えます、じゃ遅いんだよ」
「マーケは逆」
木ノ下くんは資料を指先で軽く叩いて首をかしげた。
「コンセプトが曖昧なまま説明を作る方が危ないでしょ」
「でも現場の営業は、自分の言葉で話せるようになるまで時間がかかる。だから今から準備したい」
……昨日の、デジャヴ。
テーブルには、何度も修正を重ねた資料。
でもひとまず“これでいこう”と言ってもらえた安心感はちゃんとあった。
───ただ、ひとつ山を越えたと思った先に、また山。
私はさっきまで書き込んでいたメモを見返しながら、小さく息をつく。
「……ブランドコンセプト、か」
思っていたより、ずっと大きな話になってしまった。
木ノ下くんは広げていた資料をまとめながら、ごく自然に言う。
「じゃあ、まずコンセプトを詰めよう」
当たり前だけど、彼の中ではもう次を見据えている。
こっちはまだ気持ちが追いついていないというのに。
私は並んで座ったまま、開いていたパソコンの画面を切り替える。
「それなら私は営業向けの説明も並行して考えたいんだけど」
言った途端に、木ノ下くんの手が止まる。
「いや、それはまだ早いと思う」
「早くないよ」
即座に言い返して、隣で足を組んでいる彼の方へ身体ごと向ける。
「営業は準備に時間がかかるの。ブランドが決まってから説明考えます、じゃ遅いんだよ」
「マーケは逆」
木ノ下くんは資料を指先で軽く叩いて首をかしげた。
「コンセプトが曖昧なまま説明を作る方が危ないでしょ」
「でも現場の営業は、自分の言葉で話せるようになるまで時間がかかる。だから今から準備したい」



