恋を知らないきみへ

半分呆れたような、でもどこか楽しそうな目をして、彼は私を見ている。

……面白がってるな、この人。
そう思ったら困らせたくなってしまって、顔を近づけた。

「私ばっかり好きみたいで嫌だから、時々はお互いの意思確認がしたい」

「意思確認?」

「どうせ好きって言ってくれないだろうけど、私は言うから」

「……分かった」

「こういう時、ちゃんとハグしてほしい!」

「……はいはい」


改めて背中に手を回されて、だいぶ優しく撫でられる。

そのままそっと唇が重なると、一気に気持ちが満たされたような感覚になった。

「スキンシップは……したい。木ノ下くんは言葉が少ないから。そのぶん、触って」

「……なるほど」

「もっと安心させてほしい」

「小関さんの要望、多くて難しいのばっかだな」

「来てくれないなら、私から行くから」


言った瞬間、木ノ下くんが体勢を変えて私を下敷きにしてきたのでびっくりした。

「こういうことね」

「そ、そ、そう、なんだけど」

「なんで要望に応えてるのに焦ってるの?」