恋を知らないきみへ

お昼休み。

今日は外回りもないし、わざわざ日差しの強い外に出る気にもなれなくて、社食に行こうと足を向ける。

後輩の山岡さんも一緒についてきたので、二人でランチを載せたトレイを持ちながら空いている席を探した。


私たちがキョロキョロしているのを見つけて、なんとなく見たことがあるような顔の他部署の男性二人が声をかけてきた。

「お疲れ様ですー!小関さん。こっち、席空いてますよ。相席どうですかー」

……誰だっけ、と思いながら山岡さんを見やると、彼女は可愛らしい笑顔で「座っちゃいます?」とか言っている。

「……じゃあお言葉に甘えて。すみません、ありがとうございます」

私と山岡さんは混雑している社食でとりあえず言われるがままに席に着いた。


「よかったですね、小関さん!タイミングよく空いてて」

「うん。食べよっか」

二人で「いただきまーす」と手を合わせていると、相席の提案をしてくれた男性たちが早速話しかけてくる。


「今日はいい日だ。小関さんたちとメシが食えるなんて」

「だから!あの“営業の小関さん”だぞ?」

彼らの会話に、思わず口を挟む。

「いやいや、そんな有名なわけではないです」