恋を知らないきみへ

外回りに出ていると、午前中は本当にあっという間に過ぎていく。


朝一番で担当している現場へ立ち寄り、外構工事の進み具合を確認する。

「おはようございます」

職人さんたちへ挨拶をすると、「小関さん、おはよう」と気さくな声が返ってきた。

玄関前に積まれた資材を避けながら現場監督と数分打ち合わせを済ませ、気になっていた傷の補修と、仕上がりを確認する。

「このクロス、今日貼り終わります」

「ありがとうございます。お客様にも伝えておきますね」

メモを取りながら写真を数枚撮影すると、すぐ営業車へ戻った。


エンジンをかけたまま、次のお客様へ一本電話を入れる。

「お世話になっております、小関です。本日の打ち合わせですが、予定通り十一時からお伺いします」

約束を再確認しながらスケジュール帳へ目を落とす。

今日は午後にも来店予約が一件。
さらに夕方には、新ブランドの資料確認も残っている。

……忙しい。

だけど、不思議と嫌ではなかった。