触れられなくても、君がいい。


「……っ!」

 肩にかけていたバッグをフローリングに放り投げ、中身を切らないように細心の注意を払いながら、ハサミで封を切る。


 丁寧に折りたたまれた便箋を開くと、ふわり、と潮の香りが鼻先を掠めたような気がした。


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 夏帆へ

 テニスの新人戦、入賞おめでとう。
 写真あったら、送って。

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 そこまで読むと、声にならない悲鳴を上げ、便箋を胸に抱きしめたままその場でバタバタと足を踏み鳴らした。

 私の写真、見たいと思ってくれたんだ――。

 はあっと息を吐き、速まる鼓動を落ち着かせながら、続きに目を落とす。


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 俺は今日、体育でサッカーやって、悠也(ゆうや)をドリブルで抜かしてゴール決めた。
 めちゃくちゃいい気分。

 航

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