触れられなくても、君がいい。

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 初めての手紙は、私から送った。

 航が拾ってくれたシーグラスを机に飾っていること。
 デスクライトに照らされると、エメラルドグリーンに煌めくこと。
 次に行くことができたら、自分で潜って取ってみたいこと。
 便箋に向かうと止めどなく言葉が溢れ、気づけば随分と長々しくなってしまった。

 夏期講習へ向かう途中、陽炎が揺らめく道端で、赤いポストへそっと投函した。

 アスファルトの熱気がまとわりつく東京は、あの街と同じかそれ以上に暑いのに、潮の匂いも、青く澄んだ海もない。


 七日後。待ちわびていた返事が届いた。


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 夏帆へ

 うちのホテルに来てくれてありがとう。
 また来てほしい。

 次は、潜り方を教えるよ。

 航

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