触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。


 七海は、砂の上に並んだ『航』と『洋』を指さし、尋ねてくる。

「どういういみ?」

「船で海を渡るって意味と、太平洋とかの大きい海って意味。七海のじいちゃんとばあちゃんが海を好きだから、この名前をつけたんだって」

「どっちも、うみにかんけいあるの?」

「そうだね。七海と一緒」

 そのあと、彼女にねだられるまま、俺の両親、俺の家族、そして洋の家族全員分の名前を漢字で書いてやった。

「ママのなまえも、うみにかんけいある?」

「ママは……違うね」

 七海は「ふうん」と呟きながらぺたりと砂浜に座り、きらきらと光る海を見つめた。