そして、また少しだけ、沈黙が降りる。 たまらず、私は小さく口を開いた。 「実はね……一人で賭けてたの」 「……何を?」 「航が最初に言う言葉。『久しぶり』か『誕生日おめでとう』の、どっちかなって」 「……で、どうだったの」 「……勝った」 航は少し照れくさそうに視線を外し、ふっと笑った。 その緩んだ横顔を盗み見ただけで、今日が最高の一日になることがすでに確定してしまうのだった。