切り裂きジャックの真の犯行






個室という、誰にも邪魔されない空間
ジャックは他の4人の時のように急ぐ必要はなかった。

彼は実の母親をその手で仕留めた後、真っ先に「引き出し」を開けた

そこには、彼がお腹の中にいた時の記録や、王室との繋がりを示す出生の証拠が入っていた

ジャックはそれをすべて回収し、引き出しを空っぽにした

そして、ジャックは母親の顔を、原形を留めないほど激しく破壊した
愛憎と罪悪感のあまり、母親の美しい顔を見ていられなかったのだ

しかし、剥ぎ取った顔の皮膚や内臓は、
幼少期に師匠ケイトから徹底的に教え込まれた暗殺者のルーティン通り、
テーブルの上に「きれいに並べて」残された


ただ一つ、「心臓」だけを除いて。


「世間へのアピールはもう要らないお母さんの肉体はここに置いていくけれど、その心だけは、僕が連れ戻してずっと一緒にいるよ」


ジャックはメアリーの心臓を、誰にも見せない秘密のトロフィーとして自分の懐に深く仕舞い込んだ

朝10時

メアリーの部屋から、彼女の服を身に纏い、
顔を深く伏せた人物が異様な早足で立ち去る姿が目撃された

それは雇った身代わりではない。

他人に頼るリスクを冒さないプロの暗殺者、ジャック本人の変装による単独脱出だった

「メアリーは朝まで生きていた」という完璧なアリバイを警察に植え付け、
捜査を大混乱させている間に、ジャックは衣服を着替えて歴史の闇へと完全に消え去った