1868年ごろ、冷たい雨の降るロンドンのスラム街で、一人の男の子が産み落とされた
父親はイギリス王室の高貴な王子
母親はスラムの片隅で懸命に生きる若き日のメアリー・ジェーン・ケリー
しかし、王室の血筋にスラムの泥を混ぜることは決して許されない。
赤ん坊は産まれてすぐに母親の腕から奪い去られ、名前も与えられないまま、
裏社会の闇へと捨てられた。
少年を拾い、育てたのは、のちにロンドン中を震撼させる
バラバラ殺人の女王、ケイト・ウェブスターだった
アイルランド移民として上流階級を激しく憎むケイトは、
少年を「暗殺の道具」として育てることに決めた
まだ幼い少年の特等席は、人間の肉体を効率よく、
声を上げさせずに解体するケイトの手元だった
「人間の肉体はこうしてパーツごとに並べて処理するんだよ」
普通の子供が泥遊びを覚えるように、
少年は人間の解体術を骨の髄まで叩き込まれて育った
1879年、ケイトは処刑されたが、その怨念と完璧な技術は、
10代の少年の両手に確かに受け継がれていた



