無口な君は、誰よりも綺麗だった。

でも。

「……。」

何かがおかしい。

(……?)

私は演奏しながら眉を寄せる。

いつもの紗羅ちゃんの音じゃない。

いつもなら。

優しくて。

柔らかくて。

包み込むような音なのに。

今日は少しだけ。

力が入っていない。

私はすぐに演奏を止めた。

「……。」

音楽室が静かになる。

「園崎?」

山岸先生が不思議そうにこちらを見る。

「どうした?」

私は紗羅ちゃんを見る。

「……紗羅ちゃん。」


「え?」


「もしかしてだけど。
手……怪我してない?」


「……っ。」

一瞬。

紗羅ちゃんの表情が固まった。


「あ……。」


でもすぐに笑顔を作る。

「だ、大丈夫だよ!怪我してないもん!」


その言葉に私は首を横に振った。