無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「……っ」

思わず息を呑む。

(……え。)

教室ではずっと俯いていて、顔なんてまともに見たことがなかった。

でも今、夕日に照らされたその横顔は――

(……綺麗だな。)

しばらく見惚れていると、園崎さんはギターケースを開け、大切そうに一本のギターを取り出した。

その瞬間。

ふわっと、柔らかく微笑んだ。

教室では一度も見たことのない笑顔だった。

(……笑った。)

その笑顔を見ただけで、不思議と胸が熱くなる。


園崎さんはギターを肩に掛けると、静かに弦へ指を添えた。


ポロン――。


たった一音。


それだけで、屋上の空気が変わった。


澄んだ音色が夕焼けの空へ溶け込んでいく。


(……綺麗な音色だ。)


自然と息をするのも忘れてしまう。


園崎さんは目を閉じ、小さく息を吸い込んだ。


そして――。
静かに歌い始めた。