無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「安心して。」

「……え?」

「詩は、周りの視線とか気になるだろ?」

「だから教室に人が居なくなるまで待つよ、
それから一緒に来ればいい。」


「……。」

人気を気にしてくれるんじゃなくて、私がどう感じるかを考えてくれた。

「俺も。」

瞬くんは少し笑う。

「これから詩ともっと仲良くなりたいし。」

「……嫌?」

「……。」

胸の奥が少し温かくなる。


「ううん。」

私は小さく首を振った。

「人気が無くなるなら……一緒に行こう。」


「よし。」

瞬くんは満足そうに頷いた。

その時。

「はーい、そこまでー。」


「……?」

聞き慣れた声。

振り返ると、奏くんが腕を組んでこちらを見ていた。

「二人の時間、終わりにしてくださいー。」


「奏…くん?」


「そのちゃん。」

奏くんは少し拗ねたような顔をする。

「俺のことも構ってよ。」


「……。」

思わず瞬くんを見る。

すると瞬くんは小さくため息をついた。

「出た、奏の寂しがり。」


「違うから!」


「違わないだろ、紗羅もそう思うよな?」


「うん!」

紗羅ちゃんが即答する。

「奏って詩ちゃん関係になると分かりやすいもん!」


「紗羅まで!?」


音楽室に笑い声が響く。

少し前まで私は誰かと一緒に笑うことすら怖かった。

なのに今は、こんな時間が楽しいと思える。

(……不思議。)

(Astralって。)

こんなにも温かい場所なんだ。