無口な君は、誰よりも綺麗だった。

演奏を終え、私たちはステージを後にした。

さっきまでの歓声が、少しずつ遠ざかっていく。


「……。」


胸に手を当てる。


鼓動はまだ速いまま。


(……楽しかった。)


心の底から、そう思えた。

誰かと音を重ねて。

誰かへ歌を届けて。

みんなが笑ってくれて。

こんなに幸せな時間があるなんて、知らなかった。

でも。

(今日で……終わり。)


そう思うと、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。

(どうして、私いつの間に……。)


(この場所が、好きになってる。)

そんなことを考えていた、その時だった。


「園崎さんっ!」


聞き慣れた声がして振り返る。

「え──」

ふわっ。


気づいた時には、優しい温もりに包まれていた。


「……!」


「すごい!すごいよ、園崎さん!」

高杉くんが嬉しそうに笑いながら、ぎゅっと私を抱きしめる。