無口な君は、誰よりも綺麗だった。

(私の歌は…私の言葉は。)


(ここにいるみんなへ――、届け。)


私は目を閉じ、想いを乗せるように歌い始めた。


♪――。

歌声が、青空へ溶けていく。

優しく。

真っ直ぐで。

どこまでも透き通る声。

それは歌うというよりも、一人ひとりへ言葉を届けているようだった。

会場から聞こえていた話し声が、少しずつ消えていく。

みんなが、ステージを見ている。

私たちを見ている。

そして――。

私の歌を、聴いてくれている。

(私の歌…届いた?)

そう思えた瞬間。

自然と笑顔がこぼれた。

怖かったはずのステージが。

いつの間にか、世界で一番大好きな場所になっていた。