無口な君は、誰よりも綺麗だった。

朝倉くんがスティックを高く掲げる。


会場の空気が、一瞬静まり返った。

そして――。

「ワン、ツー。」

「ワン、ツー、スリー!」

カッ――!


スティックが鳴り、演奏が始まる。

真っ先に響いたのは、朝倉くんの力強いドラム。

そのリズムに寄り添うように、紗羅ちゃんのキーボードが優しく重なる。

そこへ高杉くんのベースが加わり、曲全体をしっかりと支えていく。


(みんな……。)


三人の音が、私を迎えに来てくれる。

私はそっとギターを構えた。

ジャーン――。

白いエレキギターの音色が、会場いっぱいへ響き渡る。

その瞬間だった。

『おぉっ!』

『あのギターかっこいい!』

『誰あの子!?』

客席が、一気にざわめく。

目の前にいた生徒たちの表情が、ぱっと明るくなっていくのが分かった。

(……すごい。)

(これだけでも、こんなに楽しいんだ。)

胸の奥で、何かが弾ける。

音を重ねることが。

誰かと一緒に演奏することが。

こんなにも楽しいなんて。

私はゆっくりとマイクへ近づく。

大きく息を吸う。