無口な君は、誰よりも綺麗だった。

詩side

いよいよ、この日がやってきた。

文化祭ライブ当日。

ステージの向こうからは、生徒たちの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

歓声。

拍手。

軽くリハーサルをしている他のバンドの音。

そのすべてが、私の鼓動を速くしていく。

(……本当に、私今日このステージに立つんだ。)

ギターケースを抱える手に、自然と力が入る。

指先が少し震えていた。

怖い。

逃げたい。

そんな気持ちが、何度も頭をよぎる。

「園崎さん。」

聞き慣れた声がして振り返る。

「……。」

そこには高杉くんがいた。

その隣には、紗羅ちゃんと朝倉くんもいる。

三人とも、いつもと変わらない笑顔だった。

「大丈夫?」

高杉くんは私の目を見て優しく笑う。

「一回、深呼吸しよっか。」

「……はい。」

私は小さく頷く。

ゆっくり息を吸って。

ゆっくり吐く。

それだけなのに、少しだけ肩の力が抜けた気がした。

すると紗羅ちゃんがそっと私の手を包む。