無口な君は、誰よりも綺麗だった。

何より驚いたのは、その対応力だ。

昨日譜面と音源を渡したばかりなのに。

もう自分の音にしている。

先生も目を丸くしている。

紗羅は演奏しながら何度も園崎さんを見ていて、舜も思わず笑みを浮かべていた。

曲はそのままサビへ入る。

「……。」

園崎さんが小さく息を吸う。

歌うのか。

思わず期待した、その時。

園崎さんは口を開きかけて――

すぐに閉じた。

歌わない。

そう決めているから。

その代わり、ギターが歌うようにメロディーを奏で始めた。

優しく。

切なく。

だけど、どこか力強く。

まるで心の声をそのまま音にしたような演奏だった。