無口な君は、誰よりも綺麗だった。

奏side

(……すげぇ。)

思わず息を呑む。


歌声がすごいのは当然なんだけど


ギターまで、こんなに上手いなんて。


一音一音が丁寧で、力強いのに優しい。


音が生きているみたいだった。


(これが……園崎さんの音。)


負けていられない。


そう思うと、不思議と胸が熱くなる。


ウォーミングアップを終えた園崎さんは、ペットボトルの水を一口飲み、小さく息をついた。

俺は思わず声を掛ける。

「園崎さん。」


「なんですか?」


「そういえば、そのギター。」

いつも屋上で弾いていたものとは違う。

白色のエレキギターを見ながら尋ねると、園崎さんは少しだけギターへ視線を落とした。

「あ……。昨日音源を聴いた時に思ったんです、
この曲なら、こっちのギターの方が合うので。」


「だから、今日はこっち。持ってきました。」


「……!」

その言葉に思わず笑みがこぼれる。


(本気なんだ。)


ただ頼まれたから来たんじゃない。

曲を聴いて、自分なりに考えて。

一番合う音を選んでくれた。

やると決めたら、一切妥協しない。

それが園崎詩という人なんだ。